強い女性とは?〜個人的な女性の趣味趣向〜
突然ですが、私は強い女性が好きです。大好きです。愛しているといっても過言ではないです。そのぐらいに"強い女性"に恋慕のような感情と、自分にはない強さを内包している彼女たちへ畏敬の念を抱いているわけです。
突然ですが、私はココ・シャネルについての知識が全くありませんでした。ココマークですら危ういものです。コスメのシャネルと洋服のシャネルは別物であるとすら思っていました。
ご存知の通り、ココ・シャネルという名を持つ彼女はモード界に革命を起こしました。その革命方法が最高にクールなんです。映画にも取り上げられていますが、彼女は父に捨てられ孤児院で育ち、服飾の店でお針子として働きます。映画内では「パリの最新ファッションだ」という酷いドレスを、ドレスを纏うお客様に似合うよう軽く仕立て直し「着ている人がハッピーでなければならない」と言います。
また、ココ・シャネルは当時労働階級の者が身につけていたジャージー素材にも目をつけました。戦時中は男性が徴兵されるので、当然女性も働かねばならない事態に陥ります。働く際に履くヒール靴は、一種の拘束具です。つまり非常に動きにくい。服だってコルセットをギュギュギュッとしめつけるような時代です。拘束具から解放しようとしたのかもしれません。その拘束具を外す鍵が、動きやすく柔らかい、カシミアに近い手触りのジャージーの服でした。今は当たり前のように溢れかえっている女性のパンツスタイルも、彼女から始まったように記憶しています(合ってるか心配なので、各自で調べてみてください)。
このように、周囲に流されることなく自分の感覚を信じて道を切り開いていくココ・シャネルは、私好みの非常に強い女性なのです。
しかし、ただ強いだけの人間などいません。強さの裏側には弱さが潜んでいます。
フュリオサは、希望を託していた緑の地がとうの昔に枯れ果てたことを知り、慟哭します(その姿すら美しい)。
ココ・シャネルも苦難を何度も味わった人物です。愛した人はいたけれど、結局その恋愛は叶わず、生涯を仕事に捧げます。映画では涙を流すことはなかったのですが、現実では悔しさと怒りで涙を流していたことでしょう。
『プラダを着た悪魔』にも少しだけ触れておきましょう。
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この映画にも、"強い女性"が登場します。それはアンハサウェイ演じるアンディーことアンドレアと、悪魔と称されるランウェイの鬼編集長・ミランダ・プリーストリーです。
この物語のあらすじをさくっと紹介すると、アンディーが自分の夢を叶えるための「どこでもドア」になり得るランウェイの鬼編集長・ミランダのアシスタントという称号を手に入れ、ミランダによる無理難題に立ち向かうというある種の成長物語です。
ミランダの無理難題というのは、無茶振りも無茶振り。まだ開店時間前のステーキ店のステーキを用意しろ、ハリーポッターの新作(未発表のもの)を自分の娘のためにわずか数時間で用意しろ、などなど。
こんな無茶振りにも、アンディーはへこたれずに立ち向かい、遂には鬼編集長のミランダからみとめられていきます。(このツンデレおばさんっぷりが萌えるんです!)
ある日アンディーはミランダの弱い部分を見てしまいます。度重なる離婚、経営不振、自分の子どもへの憐憫...世間は彼女を「鬼編集長」と揶揄しますが、彼女はただ仕事をしているだけなのです。
アンディーのせりふに、次のようなものがあります。(こちらもうろ覚えです。後ほど確認して正しいものに変えますね)
"彼女(ミランダ)が男だったら?"
鬼編集長・ミランダの元でよく働けるな。仕事人間だろう。そんな感じの言葉に、アンディーはこう返すのです。
もしも男性だったのならば、ミランダは凄腕編集長です。しかしミランダは女性です。女性であるが故に色眼鏡で見られてしまいます。
女性から憧れられる仕事を守る女性。ミランダもまた、守る強い女性なのです。
アンディーの強さが現状打破に向けての強さであれば、ミランダの強さは守り続ける強さであるといえます。その裏返しが、アンディーに見せた弱い部分なのでしょう。
何が言いたいかわからなくなってきたあたりで締めます。
つまり、周囲に流されることなく自分の意見を通すけれど、社会情勢や時代がそれを許さずに無情にも彼女たちを叩きのめしてしまいます。しかし、彼女らは弱音を吐きながら、涙を流しながらも真には屈することなく何度でも立ち上がるのです。
内側から鋭利に光る"強さ"。
今はまだ、フェミニズムなどの運動が起こるように女性の立場が弱い場所にあります。そんな時代だからこそ、フュリオサやココ、ミランダたちのような強さを持てるようになりたいと思う、そんな今日この頃です。